債務整理するとどうなる?クレジットカードが使えない、作れないなどのデメリットやリスクについて

2024.08.29
債務整理するとどうなる?クレジットカードが使えない、作れないなどのデメリットやリスクについて

債務整理をすれば借金が減ったり、返済の免除など良いこと尽くしに感じられますよね。ですが、債務整理をすれば借金が減るというプラス面(メリット)がある一方で、マイナス面(デメリット)もあり生活に不便な点も出てきます。

債務整理の種類によっても、デメリットが違うため、自分の今後の生活への影響も踏まえて、自分が手続きする債務整理の種類を決めなければなりません。

今回は、債務整理するとどうなる?ブラックリスト入りについて、クレジットカードの利用やローンの契約など具体的な説明をします。

また、自己破産をすれば住宅や車はどうなる?家族や会社にバレる?みんなが気になる点についてもお伝えします。

債務整理をすればどうなるのか?を知って、後悔のない債務整理を目指しましょう。

債務整理は国が認めた借金減額制度と言われている!それぞれの特徴やメリットデメリットを紹介

借金返済が辛い、難しい場合は、法的に認められた借金減額制度「債務整理」で解決できます。種類によって特徴やメリット、デメリットが異なります。

借金の状況や自身の意向に沿った債務整理ができるように、メリットだけではなくでデメリットもしっかり知っておく必要があります。

任意整理は元本は減らないが、利息の減額で返済が楽になる

利息が膨らみ返済しても元金がなかなか減らない場合、任意整理をすることで将来利息をカットできます。

メリット

  • 毎月の返済が楽になる(3~5年で完済)
  • 整理したい借金を選べる

デメリット…ブラックリスト入り(クレジットカードの利用停止、ローンや借入れの制限)

参考:任意整理|借金問題|法律相談一覧|弁護士に相談する|東京弁護士会

個人再生は借金の総額自体を大幅に減額できる方法!

任意整理では、利息カットのみが可能ですが、個人再生では、借金の元金を含めた借金を1/5まで減額できます。残りの返済は3~5年で完済を目指します。住宅ローン特則を利用すれば、住み慣れた住宅を残したまま借金を整理できます。

メリット

  • 大幅な減額で返済が楽になる
  • 住宅は処分されない

デメリット

  • ブラックリスト入り(クレジットカードの利用停止、ローンの制限)
  • 官報に個人情報の掲載
  • 車が処分される
  • 保証人がいれば請求される

参考:民事(個人)再生の手続・個人再生手続について | 裁判所

自己破産は、財産没収の代わりに借金チャラ(免除)になる、つまり借金負担ゼロに!

自己破産の申立てをして、裁判所に免責が認められると借金は全額免除になります。

メリット

  • 借金生活から解放される
  • 人生のやり直しがしやすい
  • 一定額以下の財産や家財、一定額以下の現金は自由財産として手元に残せる

デメリット

  • ブラックリスト入り(クレジットカードの利用、ローンの制限)
  • 官報に個人情報の掲載
  • 家や車など財産の没収
  • 職業の制限
  • 保証人がいれば請求される
自己破産は、財産の処分など重いデメリットは避けられません。

参考:自己破産とは何ですか? 詳細 法テラス

債務整理後どうなる?クレジットカード、ローン、住宅について

債務整理をすると共通してブラックリスト入りになります。ブラック状態になるとどんな弊害があるのか解説します。

ブラックリスト入り以外にも、「住宅はどうなる?」「家族に影響はある?」など気になる点をまとめました。

ブラックリスト入り…信用情報機関の解説

ブラックリストという名簿のようなものはありません。ブラックリスト入りとは、信用情報機関に、「債務整理した」と事故情報が登録されることです。

株式会社日本信用情報機構(JICC) 消費者金融などが加盟
株式会社シー・アイ・シー(CIC) クレジットカード会社、信販会社が加盟
全国銀行個人信用情報センター(KSC) 銀行や信用金庫などが加盟

クレジットカードの利用やローンなどの取引情報を管理しています。借り入れ状況や遅延、滞納など信用情報はチェックされています。

債務整理をすると、事故情報は各信用情報機関に共有されます。

クレジットカードが利用できない…代替策の提案

債権者が受任通知を受け取ると、クレジットカードは即日解約になります。ポイントは失効してしまうので債務整理の前に使えば問題ありません。

債務整理後クレジットカードは…

  • 利用できない
  • 更新できない
  • 債務整理の対象外のカードも利用できない
持っているクレジットカードは全て使えなくなります。5~10年間、信用情報の登録が抹消されるまで新規申し込みもできません。

クレジットカードが使えない間は、不便を感じるかもしれません。ブラックリスト入りしている間は、今後のクレジットカードの使い方を考える期間(クレジットカードは利用しない、リボ払いはしない)にしてはどうでしょうか。

どうしてもクレジットカードを使いたい時の代替策として…

  • デビットカードの作成
  • 家族カードの利用
  • キャリア決済
  • プリペイドカードの利用

家族カードは、本会員の家族に迷惑にならないように利用しましょう。

新規借り入れやローンのが契約できない!住宅購入予定の方は要注意

ブラックリスト入りすると、信用情報が回復するまで新たな借金はできません。債務整理をして、借金減額や免除になれば当然のことと言えます。

債務整理後は、車や住宅ローン、子供の教育ローンの契約もできません。

車や住宅購入の予定がある場合は、債務整理の時期をずらす、または契約者を配偶者にするなど工夫が必要になります。

親がブラック状態だと保証人になれませんが、奨学金は機関保証制度で利用できます。

自己破産は住宅や車の処分の対象…対処法の紹介

自己破産をすると、住宅や不動産、車、預貯金、貴金属など20万円以上の価値のある財産は没収になります。換金され債権者へ分配されます。

住宅は、競売にかけられ売却になるので、住み慣れた家から賃貸へ引越しになるパターンが多くなります。

住宅の没収を避けたいために、事前に住宅の名義人の変更はしてはいけません。

自己破産をして住宅を残したい場合は…

  • 親など親族に住宅を買取ってもらう
  • 不動産に買取ってもらいリースバック
なお、任意整理は債務を選べるの住宅ローンや自動車ローンを対象から外せば処分されません。個人再生は、債務を選べませんが住宅ローン特則を適用すれば住宅を残せます。

車の処分についてですが、個人再生の場合、車はローンの返済が終わっていれば残せます。自己破産は、20万円以下の古い車は残すことができます。

債務整理の方法次第で家族にバレることも!

任意整理 裁判所を通さないので、バレる可能性が低い
個人再生 裁判所を通し、書類の郵送や車の没収でバレる可能性がある
自己破産 住宅や車の没収でバレる可能性が高い

任意整理や個人再生は、弁護士などに「家族にバレたくない」と相談すれば自宅に書類の郵送しないなど配慮してもらえます。

自己破産は、同居家族の収入がわかる書類の提示など手続きに協力が必要です。家族に内緒で手続きをすることは不可能になります。住宅の没収などデメリットの理解をしてもらわないといけません。

官報の掲載で、「家族や職場にバレるのでは?」と心配な方も多いでしょう。官報は国が発行する機関紙のようなもので、一般の方が目にすることはほとんどないので周りにバレる心配はいりません。

自己破産は、職業制限があるので職場にバレる可能性もあります。

債務整理以外の借金減額法ならブラック入りしない

ブラックリスト入りでクレジットカードの利用など制限を受けたくない場合は、以下の方法で借金を減らすことができます。

  • おまとめローン
  • 借り換え
  • 家族などから返済を援助してもらう

おまとめローンや借り換えは、高金利から低金利のローンを再契約して利息の負担を軽減し、結果借金を減らせます。

既にローンがある状況から、新たにローンの契約になるので審査が厳しく、必ず契約できるとは限りません。

親や兄弟からお金の援助を受ける場合は、「贈与」ではなく「貸付」が良いでしょう。親族間トラブル防止のため、借用書の作成をおすすめします。

過払い金返還請求は、完済後ならブラック入りしない

借金返済を楽にする方法ではありませんが、過払い金があれば払い過ぎた利息分を取り戻すことができます。

借金完済後の請求はブラックリスト入りしません。ですが、返済中の過払い金請求は、過払い金よりも借金額が上回る場合、「任意整理」と同じ扱いになりブラック入りになります。

【過払い金返還の条件】

  • 2010年6月以前の借り入れ
  • 完済から10年の時効を過ぎていないこと
  • 過払い金簡易診断の結果は目安として覚えておく

借金減額シミュレーターを利用すればおよその減額がわかる

「法律事務所の訪問はハードルが高い」「気軽に借金減額を知りたい!」という場合は、減額シミュレーターの利用をおすすめします。

債務整理を得意とする法律事務所が、簡易診断を無料でサービス提供しています。ネット広告などでも簡単に見つけることができますよ。

  • 借金総額はいくら?
  • 借り入れ、返済期間は?
  • 滞納はしているか?

簡単な質問に答えるだけで、借金減額の可能性を知ることができます。

【メリット】

  • 無料診断(60秒診断)
  • 24時間利用OK
  • 内緒で診断可能

【デメリット】

  • 診断は無料でも、債務整理にはお金が必要
  • 簡易診断の結果はあくまでも目安

自宅にいながら思い立ったらすぐに診断できるので、忙しい方にもおすすめです。簡易診断ですので、具体的な金額や詳しく話を聞きたい時は相談へ進みましょう。

失敗しないシミュレーターの選び方はとして、必ず情報元が法律事務所か確認しましょう。詐欺サイトが紛れている可能性もありますので、お金を請求するサイトには注意してください。

仕組みやからくりを知れば、怪しいと思わず利用できる

減額シミュレーターは、連絡用に電話番号やメールアドレスの入力を求められます。「怪しくない?」「罠や詐欺だったら不安」という方も多いでしょう。

先述通り、減額シミュレーターの情報元は法律事務所です。債務者から送信された借金の情報をもとに、おすすめの債務整理の方法やアドバイスを返送しています。

借金減額シミュレーターは、法律事務所の看板や宣伝の役割もしています。簡易診断を掲げることで集客に繋がります。借金で困っている人が利用すれば、専門家との出会い、債務整理の方法を知るなど多くのメリットがあります。

債務者と専門家を結び付け、借金地獄から抜け出せるチャンスを掴めます。このような仕組みを知れば、安心して利用できるはずです。

自力で完済を目指せる!返済のコツの紹介

債務整理をせず借金完済を目指したい方も多くいるでしょう。節約や工夫を重ねて、返済額をアップさせれば完済へグッと近づけますよ。

一括返済など返済方法を見直して返済スピードを上げる

  • 一括返済
  • 繰り上げ返済
  • 高金利の借り入れを優先して返済
  • カードローンは、返済日以外も返済

リボ払いで利息が膨らんでいる場合は、一括返済や繰り上げ返済でまとめて返済すれば、利息の負担も抑えられます。

カードローンは、コンビニATMから少額ずつでも返済できます。無駄遣いをやめて返済に回しましょう。

生活の見直しや副業で返済額を増やすことは可能

毎月の返済が経済的に厳しいのであれば、返済額を増やすことを検討しましょう。

【生活の見直し】

  • 固定費を抑える(家賃、光熱費、水道代など)
  • 自炊やマイボトル持参で食費を抑える
  • 格安スマホへ変更、通信費の見直し
  • 不要なサブスク、保険の解約

家賃が高い場合は、思い切って安い物件へ引越す方法もあります。

【収入を増やす方法】

  • 副業をする(クラウドソーシングなど)
  • 単発バイト
  • スキル販売
  • リサイクルショップや買取りの利用

完済まで一時的でも副業を始めてはどうでしょうか。専用アプリから応募して簡単に始められますよ。

自力返済をスムーズに進めるには、返済シミュレーションを試して

返済を上手く進めるには無理のない返済計画が大切です。自身の借金や収支の状況の確認から始めましょう。

  • 借金総額…自力返済できるか?
  • 借り入れ期間…長引けば利息の負担が増える
  • 金利…高金利の場合、利息を減らす方法を検討する
金利の計算方法
利息=借入残高×金利(実質年率)÷365×利用日数
例)借金100万、金利15.0%の場合
100万円×15.0%÷365×30日=12,330円

アコムなど消費者金融業者で提供している返済シミュレーションを活用し、「○万円の返済の場合は何年かかるか?」などいくつかのパターンを試しましょう。

「借金が100万円ある、ヤバい?大丈夫?」その判断は、自身の収入に対して借金額が1/3を超えていたらヤバいと判断しましょう。

借金100万円に対して、収入が300万円以下なら、自力返済よりもデメリットの少ない任意整理で解決した方が早い場合もあります。

債務整理のお金がない…法テラスなど援助を受けられる機関を紹介

債務整理は、まとまったお金がないと手続きができません。「お金がないと債務整理はできないの?」と心配な方もいるでしょう。お金がなくても安心して債務整理をする方法はあります。

法テラスの費用立て替え援助を受ける

法テラスは、経済的に厳しい方を対象に、借金問題に関する無料相談や債務整理の費用の立て替え制度を行っています。

費用の立替えなど援助を受けるには、一定額以下の収入や資産が申請の条件となっています。全ての方が対象ではなく、経済的に厳しい方の援助になります。

「借金問題の相談先を知りたい」など情報提供は、誰でも無料で聞くことができます。法律トラブルの相談先として覚えておくと便利ですよ。

日本クレジットカウンセリング協会は、無料で任意整理が可能

借金問題の相談先として、「日本クレジットカウンセリング協会」を選択すれば手厚いサポートを受けられます。

  • 電話相談
  • 対面カウンセリング
  • 情報提供
  • 家計診断
  • 任意整理
公益組織なので、全て無料で対応してくれます。カウンセリングの結果、任意整理で解決できるとわかれば、協会が協力し無料で任意整理の手続きをしてくれます。

任意整理後の返済が困らないように家計診断や節約をレクチャーし、借金に頼らず生活できるよう指導してくれます。

無料の任意整理を依頼するには、センターに直接できる方などいくつか条件があります。詳しくは、公式HPの条件を確認してください。

借金地獄の原因を見つけて、借金地獄から抜け出そう

債務整理が必要なほど、借金が膨らむには原因があります。借金地獄や借金まみれから脱出するには、大きな意識改革も必要です。

【借金地獄に陥る主な原因】

  • 借金と返済を長年繰り返している
  • 高金利で元金が減らない
  • 何社からも借り入れをしている
  • 収入よりも借金が多い

既に借金地獄で毎月の返済が大変なら、専門家に相談がベストです。

【借金まみれになりがちな人】

  • 浪費癖がある
  • 買い物やギャンブルに依存している
  • 無計画なカードローンの利用やリボ払い
  • 低収入
  • 病気や家庭の事情で充分に働けない(公的支援など検討もあり)

借金問題を解決したいなら、今すぐ浪費やギャンブルをやめましょう。どうしてもやめられず困っている場合は、依存症専門の医療機関受診やカウンセリングを受ける方法もあります。

お金に無頓着な場合は、家計簿をつけるなど目に見えるお金の使い方をしましょう。

借金の滞納や放置は悲惨な末路へ発展…返済困難は即相談へ

経済状況の悪化や解雇などさまざまな理由で返済が困難になることも考えられます。もし返済できない状況になったらやるべきことは何でしょうか。

それは、債権者への連絡です。早めに債権者へ相談すれば返済日を延ばしてもらえます。こういったことをきっかけに、減額シミュレーターの利用や専門家へ相談、債務整理の検討をすれば、事態は悪化せず解決できるでしょう。

逆に借金の滞納や放置は絶対に良くありません!

  1. 返済が遅れると遅延損害金
  2. 電話やハガキで催促
  3. ブラックリスト入り
  4. 一括請求
  5. 強制的に財産や給料の差し押さえ
債権者からの連絡を無視し続けると、最終的には財産の差し押さえになります。家族や職場などに迷惑をかければ、社会的信用を失ってしまう可能性もあります。

夜逃げや闇金の利用は取り返しがつかなくなる

「借金生活が嫌」「踏み倒したい」という理由で、夜逃げをしてはいけません。なぜなら、夜逃げをしても借金は1円も減りません。むしろ、遅延損害金が発生すればどんどん借金は膨れ上がってしまいます。

「所在不明なら債権者も追って来ないのでは?」と思うかもしれませんが、「公示送達」という手段で訴訟を起こし請求することが可能です。

一時的に借金から解放されても、夜逃げ先では、住民票を移せず生活や就職も困難な状況になります。夜逃げをしたら「まともな生活ができなくなる」そう覚えておき絶対にやってはいけません。

夜逃げを考える程苦しいのであれば、弁護士など専門家へ早急に相談するべきです。

甘い勧誘に注意!闇金には手を出してはいけない

SNSやDMなどで「すぐにお金を貸します」と勧誘を受け、安易にお金を借りるのはダメです。実は闇金業者だったという事例が後を絶ちません。

闇金は高い金利でお金を貸すので、すぐに返済ができなくなってしまいます。優しい雰囲気から一変、キツイ取り立てに遭ってしまいます。

昼夜問わず取り立ての電話が鳴ったり、精神的に追い込むような迷惑を行為を繰り返します。

「借入れができない状態=闇金から借りる」ではなく、借り入れができなくなる前に専門家に相談すれば、解決策を見つけることができます。

借金問題は専門家を頼ればスピード解決!専門家依頼のメリットは多い

ここまでの説明で返済困難な状況が長引けば長引く程、借金は膨らみ状況は悪化します。そうならない為にも、少しでも返済に不安があったら弁護士や司法書士に相談しましょう。

ハードルが高いと感じたら、減額シミュレーターからの利用でも構いません。シュミレーターの利用で債務整理へ進むことも可能です。相談先を見つけるだけも精神的に楽になります。

【専門家に依頼するメリット】

  • 無料相談ができる
  • 費用の分割や後払いに対応
  • 休日や夜間相談
  • 専門知識がなくても債務整理ができる
  • 取り立てが止まる
  • 家族にバレたくない、住宅を残したいなど要望も伝えられる
費用が心配な方、法テラスの条件に該当しない方も、法律事務所の独自の料金サービスを受けることができます。

債務整理後はブラック入り!さまざまなデメリットを理解し手続きを!

債務整理をすると、必ずブラックリスト入りします。それに伴い、信用情報に関するクレジットカードの利用やローンの契約ができなくなります。

自己破産をすれば、住宅や車など財産の没収は避けられません。事前に対策を考えて乗り越えないといけません。

債務整理はメリットの部分だけに目を向けるのではなく、債務整理後のデメリットは何があるのか?把握し対処法まで知っておけば安心です。

債務整理後のデメリットやリスクなどが心配な場合は、弁護士や司法書士に相談しながら手続きを進めていく方法もあります。専門家を頼って債務整理を成功させましょう。